育成・研修関連

その背中、若手に見せられますか? 50代キャリア研修で向き合った「学びの壁」

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その背中、若手に見せられますか? 50代キャリア研修で向き合った「学びの壁」

先日、ある企業様で50代社員を対象としたキャリアデザイン研修に、講師として登壇させていただきました。多くの方が、ご自身の豊富な経験と真摯に向き合い、セカンドキャリアに向けて瞳を輝かせる姿に、一人のキャリアコンサルタントとして大きな手応えを感じる時間でした

しかし、その一方で、私の心に小さな棘のように刺さった光景があったのも事実です。

一部の参加者の席から、かすかに聞こえてくるのです。「今さらやったって…」「どうせ会社は俺たちのことなんて…」そんな心の声が。グループワークでは腕を組み、どこか他人事のような表情で、窓の外に目をやっている。その背中は、長年会社に貢献してきた誇りとは少し違う、「諦め」や「戸惑い」といった感情を雄弁に物語っているように見えました。

彼らも、かつては情熱を持って仕事に取り組んでいたはずです。しかし、長年の経験がいつしか変化を拒む「鎧」となり、新しい学びや挑戦を遠ざけてしまっているのかもしれません。その気持ち、分からなくもありません。しかし、私たちはもう知っています。人生100年時代において、「60歳でゴールテープを切る」というキャリアモデルは、もはや幻想に過ぎないということを。

年金制度の議論が活発化し、働く期間がますます長くなるであろう未来。私たちに問われるのは、過去の役職や成功体験ではなく、「これから先も、価値を提供し続けられるか」という、いわば「雇われ続ける力」です。それは、決して会社にぶら下がる力ではありません。自らの意思で学び、変化し、プロフェッショナルとして貢献し続ける力です。

あの研修の日、諦めの背中を見せていた方々。彼らの「学びの壁」を壊すのは、一回の研修だけでは難しいでしょう。それは個人の意識の問題だけでなく、「どうせ変わらない」と思わせてしまった会社の風土や仕組みにも、原因の一端があるのではないか――。これは、私が多くの企業様で研修をさせていただく中で、共通して感じる課題でもあります。

では、企業の人事・総務ご担当者様にできることは何でしょうか。研修を一過性のイベントで終わらせず、上司からの継続的な働きかけを促すこと。学び直しに挑戦する社員を、評価や称賛で後押しすること。そして何より、50代が輝き続けることが、下の世代にとっての希望になるというメッセージを、会社全体で発信し続けることではないでしょうか。

ベテラン社員の諦めの背中は、若手社員の未来への不安を映す鏡です。その背中を、希望に満ちた誇らしいものに変えていく。それこそが、企業の持続的な成長を支える、重要でやりがいのあるミッションだと、私は信じています。

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