【キャリコン挑戦記】「ただ聴く」がこんなに難しいなんて。初めての心理カウンセリングロープレで気づいた、私の大いなる勘違い
「10分間で、相手の話をしっかり傾聴してください」
初めてのカウンセリングロープレ(ロールプレイ)実習。講師からそう告げられた時、私の頭の中は不安でいっぱいでした。 「10分?10分も持つのだろうか……」 「言葉に詰まって、気まずい沈黙が生まれたらどうしよう」
普段の会話なら10分なんてあっという間です。しかし、「カウンセラー役」として意識してクライエント(相談者)の前に座った瞬間、1分1秒が途方もなく長く思えました。
今回は、クライエント役・カウンセラー役・観察者役の3つを交代で体験する体験型研修。観察者の立場では冷静に見えることも、いざ自分がカウンセラー役に回ると緊張で頭が真っ白になります。「相手の話をしっかり聴くぞ!」と意気込んで挑んだものの、終わってみれば敗北感でいっぱいでした。
なぜ「ただ聴くこと」ができないのか?
いざ実践してみると、まず「聴くための言葉」が咄嗟に出てきません。 なんとか投げかけの言葉を絞り出しても、表面的なやり取りに終始してしまい、相手が本当に伝えたい深い思いまで踏み込むことができないのです。
「ただ聴く」ということは、思った以上に高度で、難しい技術でした。
そして一日の訓練が終わり、全員で振り返りをしていた時、ハッとする大きな気づきがありました。
私は「相手の話」ではなく「自分の聞きたいこと」を聞いていた
自分の発言や応答のプロセスを冷静に振り返ってみて、愕然としました。 私はクライエントの話を聴いているつもりで、実は「自分が次に何を聞くべきか」「どうやって整理するか」ばかりを考えていたのです。
これまでの人生や仕事の経験から、誰かの悩みを聞くと、無意識に「問題を解決してあげよう」というスイッチが入ってしまいます。 その結果、私が投げていた質問はすべて「解決に向けた誘導的な質問」になっていました。
- 「それはつまり、〇〇ということですか?」
- 「〜してみたらどうですか?」
- 「〇〇という方法は考えられましたか?」
一見、親身に聞いているように見えて、これらはすべて「カウンセラー側の都合」でクライエントをコントロールしようとする問いかけでした。これでは、クライエントが本当に話したい「心の中のモヤモヤ」や「伝えたい感情」を出す邪魔をしてしまいます。
それぞれの立場を経験して見えたもの
今回の研修でとても貴重だったのは、3つの役割(カウンセラー・クライエント・観察者)をすべて体験できたことです。
自分がクライエント役になった時、カウンセラーから誘導されるような質問をされると「あ、自分の言いたいこととはちょっと違うな……」と戸惑い、口を閉ざしたくなる感覚を身をもって知りました。 また、観察者役に回った時は、第三者の視点から「あ、今カウンセラーが焦ってアドバイスしちゃったな」「ここで一呼吸置けると、クライエントが続きを話せたのに」と、客観的に会話の構造が見えてきました。
立場を変えて見ることで、「良い傾聴」と「誘導」の違いがくっきりと浮かび上がってきたのです。
これからの課題:本当の「知りたい」を相手に向ける
「解決しようとする自分」を手放すこと。それが、私が見つけた最大の課題です。
クライエントが本当に話したいことは何か。 表面上の出来事の奥にある、どんな気持ちを理解してほしいと思っているのか。
自分の頭の中にある「解決策」を探すのをやめて、もっと純粋に「相手の世界」を知ろうとすること。自分の「聞きたいこと」ではなく、相手が「話したいこと」に耳を傾けること。
初めてのロープレ実習は、自分の無力さを知る苦いデビューとなりました。でも同時に、カウンセリングという営みの本当のスタートラインに立てたような気がしています。
次はもっと、相手の心に寄り添う「まっさらな耳」を持って、ロープレに挑みたいと思います。


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