研修の熱量を、どう組織の力に? ― D&I研修で見た「変化の種火」を育てる方法
先日、ある企業様のダイバーシティ&インクルージョン(D&I)研修に登壇いたしました。各グループで私の想像を超える活発な議論が巻き起こり、参加者の皆様が持つテーマへの関心の高さと、組織が持つ底力に深く感銘を受けました。
しかし研修後、人事ご担当者様から晴れやかな表情の裏にある、切実な本音を伺いました。 「この熱量を、研修に参加できなかった社員も含め、どうすれば組織全体に広げていけるでしょうか」 これは、多くの経営者や人事の皆様が直面する、とても重要な問いです。
「心理的安全性」が引き出した、本音という名の原石
キャリアコンサルタントや心理学の視点から見ると、あの活発な議論が生まれた背景には、参加者が「ここでは本音を話しても大丈夫だ」と感じられる心理的安全性が、研修という場で守られていたからに他なりません。
「本当はもっと家族との時間を大切にしたい」「マイノリティとしての意見は和を乱すのでは」といった、普段は心の奥に秘められている声。これらが表出すること自体が、組織が変わるための大きな一歩です。これらの声は、組織がまだ気づいていない課題や、成長の可能性を秘めた貴重な「原石」なのです。
主役は「マジョリティ」。日常の空気を変えるために
ですが、研修という「非日常」から職場という「日常」に戻ると、周囲のアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)や、これまでの「職場の空気」に押し流されてしまいがちです。
時短勤務の社員が気兼ねなく働けるか、新しいアイデアを持つ若手が萎縮せずに発言できるか。インクルーシブな(お互いを認め合う)文化をつくる主役は、実は周囲にいるマジョリティ層(多数派)の人々なのです。研修で生まれた「変化の種火」を一部の参加者だけで終わらせず、組織全体の隅々にまで広げていく必要があります。
研修を「点」で終わらせず、「面」で広げる仕掛け
だからこそ、組織全体へ「面」として広げていく組織開発(マネジメント)の仕掛けが欠かせません。人事の皆様には、ぜひ研修の「翻訳者」になっていただきたいのです。
単なる結果報告(サマリー)ではなく、参加者の心がどう動いたかという「ストーリー」を、個人が特定されない形で社内に発信してみてください。さらに、経営層からD&I推進の強い意志を改めて全社に発信してもらい、各職場の管理職を「翻訳パートナー」として巻き込んでいくことが大切です。
研修は、組織という土壌を耕し、種を蒔く行為です。皆様の職場に灯った「変化の種火」を、全社で大きな灯火へと育てていきませんか。i-テクセンスは、皆様の悩みに寄り添い、その大切な一歩を共に歩んでまいります。


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