コラム気づきニスト

「乾杯の杯数」を減らしたら、思考の枠組みが広がった話

「乾杯の杯数」を減らしたら、思考の枠組みが広がった話

「なんとなく、いつもの流れで続けている習慣」は、どなたの日常にもあるのではないでしょうか。

実は私自身、最近ハッとさせられる体験をしました。資格取得を目指して勉強を始めて以来、夜に酒を飲むと勉強が手につかなくなるため、自然と飲みに行く回数が減りました。たまに足を運んでも量を控えるようになり……すると不思議なことに、「そこまで飲まなくても、実は十分に楽しいじゃないか!」という事実に気づいたのです。

これまで私は「お酒をたくさん飲むから楽しいのだ」と思い込んでいました。しかし、本当の楽しみは「酒量」ではなく、「誰かと時間を共有すること」や「その場の空気感」にあったのです。当たり前すぎて疑いもしなかった行動パターンが、ひとつのきっかけによって見事につや消しされ、捉え直された(リフレーミングされた)瞬間でした。

組織や仕事の現場においても、これと全く同じ現象が起きています。

「昔からこのやり方だから」「みんなそうしているから」と、無意識のうちに続けているルーティンや会議、慣習はありませんか? 認知行動療法の観点では、人間は一度定着した行動に対して「自動思考(オートパイロット)」を働かせ、思考のエネルギーを節約しようとします。しかし、この「いつも通り」の快適さに甘んじていると、業務の本質的な目的や、そこに隠された非効率・課題を見落としてしまいます。

行動を変える第一歩は、意志の力で自分を縛ることではなく、日頃の「当たり前」にほんの少しの疑問(=アンテナ)を向けてみることです。

「この定例会議、本当に今の頻度で必要なのかな?」 「この資料のフォーマット、実は別の形の方がみんな見やすいのでは?」

まずは社内の「いつものお約束」をひとつ取り上げ、チームで「これって、そもそも何のためにやってるんだっけ?」とフランクに問いかけてみてください。固定観念というメガネを少しずらしてみるだけで、業務の無駄が削ぎ落とされるだけでなく、メンバー一人ひとりの内に眠る新しい「気づき」や提案が芽吹き始めるはずです。

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