初任給アップの裏でミドルが泣いている?時代に負けない「賃金制度」再構築の視点
初任給を上げたけれど……社内に漂う「モヤモヤ」
「採用のために初任給を大幅に引き上げたぞ!」と胸を張ったのも束の間。人事や総務の皆様の耳に、こんな声は届いていませんか?
- 「入社4年目の僕と、今年の新人の給料がほぼ同じなんて……」
- 「現場を支えるミドル層のモチベーションが下がっている気がする……」
近年の物価高と深刻な人手不足に伴う賃上げラッシュの中、初任給の引き上げによって賃金カーブが歪み、社員間に「格差縮小のモヤモヤ」が広がる事態が相次いでいます。かといって、全員の基本給を一律で上げ続けるのは固定費を圧迫するため不可能です。
トレンドは「役割」と「戦略的メリハリ」
今、多くの企業が賃金制度の再構築に乗り出しています。実務での主なトレンドは以下の3点です。
- 「役割(ジョブ)」へのシフト:年齢や勤続年数による自動昇給を縮小し、担う「役割の大きさ」で基本給を決める。
- 全社的な賃金カーブの描き直し:初任給だけでなく、30〜40代の中核人材が「この会社で頑張ればしっかり報われる」と思える設計にする。
- 企業の意思を込めた手当・変動給:専門スキル手当やリファラル報奨金など、企業が「伸ばしたい行動」に直結する手当を拡充する。
金額のアップよりも大切なのは「納得感」
キャリアコンサルタントの視点からお伝えしたいのは、賃金制度とは単なる「給与の計算ルール」ではなく、企業から社員への「期待と承認のメッセージ」だということです。
いくら基本給を積み増しても、「なぜこの金額なのか」「どう頑張れば昇給するのか」という納得感がなければ、社員の心は離れてしまいます。特に組織の要であるミドル層の「放置された感」は、離職リスクに直結します。
まずは自社の賃金カーブの歪みを可視化し、「自社が今、本当に評価したい貢献とは何か」を言語化することから始めてみませんか。制度にメッセージを込め、丁寧な対話で納得感を高めることこそが、社員のモチベーションとエンゲージメントを引き出す確かな一歩となります。


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