【連載コラム・前編】「一律」からの脱却——「平等」ではなく「公平(Equity)」が求められる理由
近年、多くの企業で推進されている「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」。しかし、「制度は整えたものの、多様な人材が十分に活躍できていない」という壁にぶつかるケースは少なくありません。この課題を解決するキーワードとして世界的に注目されているのが、従来のD&Iに「Equity(公平性)」と「Belonging(帰属意識)」を加えた「DEI&B」です。
前編ではまず、新たな要素である「Equity(公平性)」の重要性について考えます。
これまでの多様性推進で陥りがちだったのが、「平等(Equality)」という落とし穴です。「平等」とは、全員に「全く同じ機会や一律の支援」を提供することを指します。一見フェアに見えますが、育児や介護、障害、言語の壁など、一人ひとりが抱える課題や置かれたスタートラインは異なります。そのため、一律の支援だけでは構造的な不平等を解消できません。
そこで求められるのが「公平(Equity)」の視点です。公平とは、個人の置かれた状況に合わせた「異なる適切な支援」を行い、誰もが同じスタートラインに立てるよう個別の障壁を取り除くアプローチを意味します。柔軟な勤務制度の導入やアクセシビリティの整備など、「その人が100%の力を発揮するために必要なサポートは何か」を捉え直すことこそが、多様な人材の意欲を引き出す第一歩となります。


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